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2.ヤドリギ

Mistletoe (Viscum album subsp. coloratum) ビャクダン科 半寄生 灌木

裏磐梯では冬になると1メートル以上の雪が積もるため、樹上にあるヤドリギに手が届くことがあります。届くようになったら、少しいただいて、講座の時にみなさんにお見せしたいと思っていたところ、12月の半ばに、倒れた白樺についているヤドリギを発見しました。それをいただいてきて、いろいろと観察させてもらいました。

ヤドリギは、ヒレンジャクやキレンジャクといった鳥が実を食べて、糞を樹上に残し、そこにある種が木に根を下ろして生育するものです。ヨーロッパのヤドリギは白い実がなりますが、日本のものは、黄色か橙色のようです。うちの周囲にも両方の色があります。

今年は実の着きがとても良いのですが、残念ながらレンジャク類があまりわたってきていないようで、あちらこちらでたわわに実をつけているヤドリギを見かけます。

ヤドリギは、成長すると、樹の上で丸い形状となり、葉が落ちた冬にはとても目立ちます。光合成はするものの、樹の栄養分も根から吸い上げて利用しているので、半寄生植物となります。

昔は樹の病気と思われて、嫌われていたようですが、最近ではヤドリギを巣にしたり、実を食べる鳥がいるということで、ヤドリギが生物多様性に貢献しているという認識になってきたようです。この不思議な生態から神話や伝説とのかかわりがとても多い植物でもあります。フレイザーの金枝篇の金枝はヤドリギを指しているようです。また、ケルトの僧侶でもありシャーマンのような存在であったドルイドたちは、ヤドリギを神聖な植物と考えていました。

薬効も、様々に伝えられています。ケルトに伝わる万能薬で、近年では、神経鎮静作用や抗痙攣作用、血圧を下げる作用などが認められているようです。

ルドルフ・シュタイナーの哲学に基づくアントロポゾフィー医学では、寄生するヤドリギが、人間に寄生する癌細胞のようだというところから、ヤドリギが癌に効果があることを直観的に見抜き、癌治療につかうヤドリギ製剤がつくられています。

【味】実は甘い(毒性があるので注意を要する)、葉は苦味と少しピリピリする感じがある

薬草としての利用は、枝葉を乾燥させ煎じて飲用します。

*実の毒性や、種類によっては葉にも毒性があるものもあるので、専門家に確認する必要があります。

【エレメント】

葉の乾いた手触りや樹上に鳥によって運ばれるところなどから、風のエレメントとの関連性が高い。

【形態・幾何学的考察】

茎(枝)は基本的に2つに分岐する。葉も対生で2枚。肉厚で皮のような手触り。葉脈ははっきりわからない。対生の葉の間から、早春に開花するための花芽が3つついている。花は花弁が4枚で黄緑色。人が手を広げて万歳したような形に見える。実は球形で半透明の黄色(橙色もある。ヨーロッパでは白)。

毎年2つに分岐していくので、絵だが絡み合い、成長すると徐々に球形に近づいていくようだ。たくさんの人が手を広げて喜びを表現している姿にも見える。

2:二つの葛藤するもの。陰陽、光と影など

3:三位一体。

4:地上的なもの、物質的なもの

一節づつが、手で簡単に折ることができる。ジョイント部分が少し幅広くなっていて、人間の骨のよう。また、状況により、枝を伸ばす方向はねじれていくが、基本的に左右対称で幾何学的。枝は基本的には2つに分岐するが、まれに3本目が出ている場合がある。

【印象】

・樹から樹へと渡り歩く。鳥や風との親和性

・葉の皮のような手触りが安心感

・タケコプター。落ちた時に飛びやすいのか?

・風に運ばれる

・メッセージ性

・踊っている人のような形

・微妙な色

【メッセージ】

「私は葛藤を超えて調和へ至る道を示す」

枝が絡み合ってるので、樹についている根元から折ることが難しい。折れたとしても、取り出す時に枝がバラバラになりそう。こうして絡み合っているからこそ、しっかりとしたふくよかな球体をつくることができる。葉の形態も人がたくさん喜び踊っているようにも見える。

ヤドリギの矢で死に、復活するバルドル神の神話から、ヤドリギは愛と平和の象徴になっているが、葛藤の多い人類が、愛の感覚を発達させ平和を現実化するところを表現しているのではないかと感じた。

ちょうど、前の投稿にも葛藤をテーマにしたオトギリソウの投稿を書きました。人類が負っている葛藤は、どう解決されていくのだろうという問いがありました。あの投稿の次の日に、ぶらっと散歩に出かけて、ヤドリギを見つけました。最初は、「落ちていたら欲しいな」と思っていたものが手に入ったので、そこにばかり意識が向いていたのですが、ヤドリギこそがその解決の見本を示してくれている、と写真をとったり観察した後から、急にメッセージがやってくるかのように、ひらめきがありました。

毒性についての情報 Assessing mistletoe toxicity. アメリカヤドリギの毒性

追記:(2016.1.20)

「スピリチュアルな世界への渇望(熱望)」

樹上にあり、鳥により種が運ばれるので、鳥や風と関係がある。

上を見上げる人の目に留まる(スピリチュアルな世界への関心と関連)ように出来ていて、上を向いて次の段階に行く前に必要なことを人々に知らせる役割をしている。

樹上にある不思議な感じが、神聖でスピリチュアルなものとの関連を連想させる。

人間として地上にいる限りは、葛藤を通し調和に至る道を模索する必要がある。

間を縫って伸びていく枝葉、葛藤を避けて、なおかつ自分の在り方見つけ出している。

そうして、枝と枝の隙間は埋められていき、外から見ると、徐々に調和した丸い形を生み出す。

魂は、大いなる源から切り離された悲しみをもち、それが霊的世界への熱望となって現れる。

それが度を超すと、イライラや焦りとなる時もある。

焦る必要はなく、今、ここにいる自分がやるべきことを思い出し、それを実行すればよい。

成長は自ずと訪れる。

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